14 所得税Q&A 基礎編
14-03 青色申告制度とは?
(1)青色申告の要件は?
不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を行う人が一定の帳簿書類を備え付け、税務署長に青色申告の承認申請を行ってその承認を受けた場合は、青色の申告書を提出することができます。
(2)青色申告の特典は?
青色申告者に対しては種々の特典がありますが、主なものを下記に説明いたします。
①青色申告特別控除
A 65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。
1 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
2 これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
3 2の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。
(注)
1 現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
2 不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額が65万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。
具体例
※損益通算についてはQ14参照
3 不動産所得の金額、事業所得の金額から順次控除します。
B 10万円の青色申告特別控除
この控除は、上記(1)の要件に該当しない青色申告者が受けられます。
(注)
1 不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の合計額が10万円より少ない場合には、その金額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。
2 不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額から順次控除します。
②青色事業専従者給与(Q7参照)
青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。
③貸倒引当金
事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。ただし、金融業の場合は 3.3%になります(一括評価)。
なお、貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができますが(個別評価)、その際必要経費に算入された金額の計算の基礎となった貸金は一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます。
④純損失の繰越と繰り戻し
事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。
また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。
①青色申告特別控除
A 65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。
1 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
2 これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
3 2の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。
(注)
1 現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
2 不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額が65万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。
具体例
損益通算前 不動産所得① | 青色申告特別控除② | 不動産所得①-② |
---|---|---|
100万円 | 65万円 | 35万円 |
35万円 | 35万円 | 0万円 |
※損益通算についてはQ14参照
3 不動産所得の金額、事業所得の金額から順次控除します。
B 10万円の青色申告特別控除
この控除は、上記(1)の要件に該当しない青色申告者が受けられます。
(注)
1 不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の合計額が10万円より少ない場合には、その金額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。
2 不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額から順次控除します。
②青色事業専従者給与(Q7参照)
青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。
③貸倒引当金
事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。ただし、金融業の場合は 3.3%になります(一括評価)。
なお、貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができますが(個別評価)、その際必要経費に算入された金額の計算の基礎となった貸金は一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます。
④純損失の繰越と繰り戻し
事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。
また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。