07 知っておきたいシニアのマネー 介護とすまい ツイート シェア

07-01 公的介護保険の仕組み?

(1)要介護の割合は?

シニアにとって気がかりなことの1つに「介護」があります。高齢化が進むにつれて介護を必要とする人は増えており、長生きすればするほど、要介護になる可能性は高まります。また、介護にどのくらいのお金がかかるのか、介護費用の負担が老後の家計を圧迫するのではないか、といった心配もあります。

では、高齢者のうち、介護を必要とする人はどのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の調査結果を見てみると、60歳代後半から70歳代前半で要介護の人はわずかですが、70歳代後半からだんだんに増え始め、80歳代前半になると5人に1人程度、90歳を過ぎると2人に1人が要介護となることがわかります。男女別では、女性のほうが介護を必要とする人の割合が高くなっています。

シニアにとって重要なのは要介護にならない生活を心がけることですが、介護が必要になったときに備えて、公的介護保険の仕組みを知っておくことも大切です。
(1)要介護の割合は?【相続広場】

(2)公的介護保険の仕組

年齢が上がるとともに介護を必要とする人は増えていく一方、核家族化が進んだ日本の家庭では、昔のように家族だけで介護をするのは難しくなってきています。そこで、介護を必要としている人を社会全体で支える仕組みとして公的介護保険制度が設けられました。

公的介護保険のサービスを利用できるのは、65歳以上で介護を必要とする人と、40歳~64歳で加齢に伴う病気(特定疾病)の人です。特定疾病には現在、16の病気が指定されています。

公的介護サービスを利用した場合、利用者はその費用の1~3割を自己負担します。残りは40歳以上の人が負担している介護保険料と公費(税金)でまかなわれます。自己負担割合は所得に応じて決まります。

(3)要介護の判定は?

介護が必要といっても、その必要の程度は人によって違います。公的介護保険では、介護を必要とする程度に応じて「要介護1~5」、まだ介護は不要だけれど日常生活に支援が必要な「要支援1、2」の7段階に分けています。それぞれの目安は図表2のようになっています。

1カ月に利用できる公的介護サービスは、要介護度と利用するサービスの種類(在宅サービス・施設サービス・地域密着型サービス)によって上限があります。例えば、要介護3の人が在宅介護サービスを利用する場合、1カ月に利用できるサービスの上限額は26万9310円で、限度額まで利用したときの1カ月の自己負担額は2万6931円(1割負担の場合)となります。

公的介護保険のサービスを利用できるのは、「介護を必要としている」という認定を受けた人のみです。したがって、公的介護サービスを利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。これについては、「06 介護保険を利用するには」でご説明します。
(3)要介護の判定は?【相続広場】
(3)要介護の判定は?【相続広場】