09 知っておきたいシニアのマネー 金融商品と資産運用
09-01 退職金をどう運用するか?
(1)金融商品は慎重に?
退職金はリタイア後の生活にとってとても貴重なお金です。受け取った人は、大切に使わなければいけないと考える一方で、金利が低い今の状況の中で「このまとまった資金を全部銀行に預けておいていいのだろうか、少しは運用したほうがいいのではないか」と考えるのではないでしょう。中には「運用しなければ」と焦ってしまう人もいるかもしれません。
一方、銀行は口座にまとまったお金が入金されたことで、その人が退職金を受け取ったとわかるので、電話を掛けたり自宅を訪問したりして「退職金はぜひ当行で運用を」といって金融商品をセールスします。
退職金を運用する必要性は感じながらも、それまで運用の経験がなく、自分で運用する自信がないと人だと、銀行に勧められた金融商品を、よく理解しないまま購入してしまいがちです。
その結果、気づかないうちに高い手数料を取られたり、必要なときに解約できずお金が使えなかったりすることも考えられます。必要以上に値動きのある金融商品に資金をつぎ込んでしまい、お金を減らししまうこともあるかもしれません。貴重な退職金の運用で失敗すると、リタイア後の生活設計が狂ってしまいます。
そうならないために大切なのは、金融商品を購入する前に、資金プランを立てることです。
一方、銀行は口座にまとまったお金が入金されたことで、その人が退職金を受け取ったとわかるので、電話を掛けたり自宅を訪問したりして「退職金はぜひ当行で運用を」といって金融商品をセールスします。
退職金を運用する必要性は感じながらも、それまで運用の経験がなく、自分で運用する自信がないと人だと、銀行に勧められた金融商品を、よく理解しないまま購入してしまいがちです。
その結果、気づかないうちに高い手数料を取られたり、必要なときに解約できずお金が使えなかったりすることも考えられます。必要以上に値動きのある金融商品に資金をつぎ込んでしまい、お金を減らししまうこともあるかもしれません。貴重な退職金の運用で失敗すると、リタイア後の生活設計が狂ってしまいます。
そうならないために大切なのは、金融商品を購入する前に、資金プランを立てることです。
(2)運用の前に計画?
お金は使ってこそ価値のあるもの。退職金も、まずどのように使うかを考えましょう。最初にするのは、将来、どんなお金が必要になるかを洗い出すことです。
例えば、年金だけでは不足する生活費を補うためのお金、住まいの修繕やリフォームの費用、車の買い替え費用、趣味や旅行に使うお金、医療や介護に備えるお金、想定外の出費に備えるお金、といった具合です。
次に、それがいくらぐらいか見積もって、退職金と保有する金融資産を使いみちごとに振り分けます。振り分けたあとに残ったお金があれば、それは運用に回せるお金ということになります。
生活費を補うお金などは減っては困るので、安全性の高い定期預金などを利用します。3年以上先に必要になる分については、その時期に合わせて3年、5年、10年ものの個人向け国債を利用することも考えられます。
使いみちに合わせて口座や金融商品を分けておけば、使っていいお金、残しておくお金がはっきりするので、無計画にお金を使って資金不足に陥ることもないし、残高が減っていくのが怖くてお金が使えないということもなくなります。
例えば、年金だけでは不足する生活費を補うためのお金、住まいの修繕やリフォームの費用、車の買い替え費用、趣味や旅行に使うお金、医療や介護に備えるお金、想定外の出費に備えるお金、といった具合です。
次に、それがいくらぐらいか見積もって、退職金と保有する金融資産を使いみちごとに振り分けます。振り分けたあとに残ったお金があれば、それは運用に回せるお金ということになります。
生活費を補うお金などは減っては困るので、安全性の高い定期預金などを利用します。3年以上先に必要になる分については、その時期に合わせて3年、5年、10年ものの個人向け国債を利用することも考えられます。
使いみちに合わせて口座や金融商品を分けておけば、使っていいお金、残しておくお金がはっきりするので、無計画にお金を使って資金不足に陥ることもないし、残高が減っていくのが怖くてお金が使えないということもなくなります。
(3)運用は長期で?
では、余裕資金はどのように運用したらよいのでしょうか。
短期の売買はリスクが高く、資産を大きく減らしてしまう可能性があります。リタイア後の資産運用は増やすことよりも、リスクを抑えた運用を目指します。リタイア後といっても20年以上あるので、10年先、20年先を目標にして、長期で運用することが大切です。
銀行や証券会社が勧めてくる金融商品は、仕組みが複雑だったり手数料が高かったりすることが多い傾向があります。そのようなものより、シンプルな投資信託で運用するのがよいでしょう。特に、「つみたてNISA」の対象となっている投資信託はコストが低く、長期投資に向いたものに限られているので、その中から選ぶと安心です。
ただし、つみたてNISAは積立購入専用で年間の投資額も40万円が上限となっているため、退職金の運用には向きません。そこで、一般のNISAを利用します。年間120万円まで金融商品を購入でき、得られた利益が非課税になるので、120万円までは一般のNISA口座、さらに運用できる資金があれば特定口座で、つみたてNISAの対象となっている投資信託を購入します。
銀行や証券会社の窓口へ出向くと、先方の売りたい商品を勧められてしまいます。そうすると断りきれなくなることもあるので、投資信託はネットで買うのが望ましいといえます。銀行の場合、ネットバンキングを利用していれば投資信託もネットで購入できます。ネット証券会社の口座開設はネットで手続きできます。
このように、資金計画を立て金融商品を選び、資金を口座に振り分けたり運用のために口座を開設したりするには数カ月かかりますが、それはリタイア後の貴重なお金を管理するために必要な時間です。退職金を受け取ったからといって、すぐに運用しなければならないわけではありません。焦らずに時間をかけてプランニングすれば、退職金の運用で失敗することは避けられます。
短期の売買はリスクが高く、資産を大きく減らしてしまう可能性があります。リタイア後の資産運用は増やすことよりも、リスクを抑えた運用を目指します。リタイア後といっても20年以上あるので、10年先、20年先を目標にして、長期で運用することが大切です。
銀行や証券会社が勧めてくる金融商品は、仕組みが複雑だったり手数料が高かったりすることが多い傾向があります。そのようなものより、シンプルな投資信託で運用するのがよいでしょう。特に、「つみたてNISA」の対象となっている投資信託はコストが低く、長期投資に向いたものに限られているので、その中から選ぶと安心です。
ただし、つみたてNISAは積立購入専用で年間の投資額も40万円が上限となっているため、退職金の運用には向きません。そこで、一般のNISAを利用します。年間120万円まで金融商品を購入でき、得られた利益が非課税になるので、120万円までは一般のNISA口座、さらに運用できる資金があれば特定口座で、つみたてNISAの対象となっている投資信託を購入します。
銀行や証券会社の窓口へ出向くと、先方の売りたい商品を勧められてしまいます。そうすると断りきれなくなることもあるので、投資信託はネットで買うのが望ましいといえます。銀行の場合、ネットバンキングを利用していれば投資信託もネットで購入できます。ネット証券会社の口座開設はネットで手続きできます。
このように、資金計画を立て金融商品を選び、資金を口座に振り分けたり運用のために口座を開設したりするには数カ月かかりますが、それはリタイア後の貴重なお金を管理するために必要な時間です。退職金を受け取ったからといって、すぐに運用しなければならないわけではありません。焦らずに時間をかけてプランニングすれば、退職金の運用で失敗することは避けられます。