09 知っておきたいシニアのマネー 金融商品と資産運用 ツイート シェア

09-06 IFAってなに?

(1)中立的な立場でアドバイス

資産運用では、資産のうちどの程度を運用に回すか、運用する資産を何にどのように配分するか、どの金融商品を利用するかなどを、人任せにせず、自分で考えることが大切です。そのために、運用に関する基本的な知識を身につけることが欠かせません。

とはいえ、資産運用について検討する時間がない場合や、資産額が大きい場合は、すべてを自分で判断することは難しいこともあるでしょう。だからといって、金融機関の窓口へ行って相談するのはおすすめしません。

なぜなら、金融機関には販売目標やその時々で売りたい商品があり、必ずしも顧客ひとりひとりのニーズに合った提案をしてくれるとは限らないからです。運用について相談するのであれば、金融機関とは関係のない独立系のアドバイザーが望ましいといえます。その一つがIFAです。

IFAとは、金融機関に所属せず、中立的な立場で資産運用のアドバイスを行う独立系ファイナンシャル・アドバイザーのこと。顧客の資産状況やリスクに対する考え方などをヒアリングして、その人にあった資産配分や金融商品を提案します。金融商品を購入したあとも、経済状況や顧客のライフステージに応じて資産配分の見直しをしたり、顧客からの相談に応じたりします。

(2)顧客と金融機関を仲介する

IFAの最大の特徴は、顧客と金融機関の仲介をすることです。IFAは顧客に代わって金融機関に口座を開設したり金融商品の売買注文を出したりします。
仲介をするためには、内閣総理大臣から金融商品仲介業の認可を受ける必要があり、認可を受けた個人・法人だけがIFAを名乗ることができます。

IFAは1つまたは複数の金融機関と業務委託契約を結んでいます。IFAが仲介して顧客がその金融機関で株や投資信託を購入した場合、金融機関が顧客から受け取る売買手数料や信託報酬の一部が、IFAに手数料として支払われます。
そのため、顧客はIFAに対して手数料等を支払う必要はありません。

(3)いろいろなニーズに対応

IFAはどちらかというと、富裕層向けに海外の投資商品の仲介や海外直接投資のアドバイスを行ったり、資産のスムーズな承継のために税理士法人と提携して相続前・相続後のコンサルティングを行ったりするケースが多いようです。

一方、ネット証券会社の中にはIFAを積極的に活用しているところがあります。ネット取引は手数料が安く、商品をセールスされることがないのがメリットですが、資産配分や商品選択について誰からもアドバイスが受けられないので不安に感じることもあるでしょう。そのような場合は、ネット証券会社と契約しているIFAを利用するとよいかもしれません。

現在、金融仲介業の認可を受けた事業者は850あまりあります。IFAを利用したい場合は、すでに利用している人から紹介してもらうかネットで探し、実際に会ってみて信頼できそうかどうか判断するとよいでしょう。

日本では、投資信託の購入は証券会社や銀行を通して行うことがほとんどですが、欧米では投資信託の7、8割がIFAを通して購入されているそうです。資産運用のニーズが高まる中、日本でもこれからIFAの利用が広がるかもしれません。
(3)いろいろなニーズに対応【相続広場】