13 贈与税Q&A 基礎編 ツイート シェア

13-01 贈与税が課税される財産は?

(1)贈与税の課税対象は

 原則として、贈与により財産を取得した場合には贈与税がかかります。ただし、その財産の性質や贈与の目的などから贈与税を課税することが適当でないものとして非課税とされる財産があります。それでは、贈与税の課税財産と非課税財産について説明しましょう。

(2)贈与税の課税財産は

① 本来の贈与財産
 贈与税は、民法に基づき贈与によって財産を取得した場合に課税されます。ここでいう財産とは、金銭で見積ることが出来る経済価値のあるすべてのものをいいます。

 また、不動産や株式等の名義変更があった場合において、対価の授受がないとき、または、他人名義で新たに不動産や株式等を取得した場合には、原則として、その名義人となった者がその財産の贈与を受けたものとして取り扱われます。
  
② みなし贈与財産
 民法上の贈与によって取得した財産ではなくても、その経済的効果が実質的に贈与を受けたものと同じ場合は、相続税法の規定によってみなし贈与財産として贈与税が課税されます。

 このみなし贈与財産の主なものは以下の通りです。

・生命保険金
 生命保険契約の保険金を満期または被保険者の死亡により取得した場合(相続または遺贈によって取得したとみなされる場合を除く)において、その保険金のうち、保険金受取人以外の者が負担していた保険料に対応する部分の金額。

・定期金
 定期金給付契約(生命保険契約を除く)の定期金給付事由が発生した場合において、その定期金のうち、定期金受取人以外の者が負担していた掛金等に対応する部分の金額

・低額譲受
 財産を著しく低い対価の額で譲り受けた場合における、その財産の時価と支払った対価の額との差額に相当する金額

・債務免除等
 債務を免除してもらったり、肩代わりしてもらった場合における、その免除してもらった金額または肩代わりしてもらった金額

・その他の経済的利益
 その他に事由により受けた経済的な利益

(3)贈与税の非課税財産

 贈与税の非課税財産の主なものは以下の通りです。

・法人からの贈与により取得した財産
 贈与税は相続税の補完税という性格から、その贈与者と受贈者が個人の場合に限られています。
従って、個人が法人から贈与を受けた場合には、贈与税ではなく、所得税が課税されます。

・扶養義務者から生活費や教育費として贈与を受けた財産
 扶養義務者相互間における生活費や教育費で、通常必要と認められるものを必要な都度贈与を受けたもの。
 ただし、生活費や教育費という名目で贈与を受けた財産であっても、貯金したり車や株式等の購入に充てられた場合には贈与税の課税対象となります。

・公益事業用財産
 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で一定の要件に該当するものが贈与を受けた財産で、その公益を目的とする事業の用に供されるもの。

・心身障害者共済制度に基づく給付金
 地方公共団体が精神または身体に障害がある者に関して実施する共済制度に基づく給付金。

・社交上必要と認められる香典等
 香典、花輪代、贈答品、見舞金等で、それが社交上の必要によるもので社会通念上相当とみとめられるもの。

・相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産
 相続または遺贈により財産を取得したものが、その相続開始の年に、被相続人から贈与された財産。この場合には贈与税が課税されず、相続税の課税価格に加算されて相続税の課税対象となります。
 ただし、相続開始の年に被相続人から贈与された財産であっても、その被相続人から相続または遺贈により財産を取得しない場合は、贈与税が課税されます。