06 不動産の相続対策
06-02 賃貸不動産で評価減
(1)貸宅地は評価減
宅地の相続税評価額は、路線価方式か倍率方式で計算されます。その結果算出された評価額は、「自用地」の評価額です。
自用地とは、借地権や借家権などのように他人の権利が存在しない土地のことです。
例えば、路線価が20万円、敷地面積が80㎡の宅地の場合、
自用地の評価額=20万円×80㎡=1600万円
となります。
土地のうち、他人に貸している「貸地」には借地人が借地権を持つので、評価額は自用地の評価額から借地権割合を差し引いたものとなります。
例えば、自用地の評価額が1600万円の土地を他人に貸していて、借地権割合が70%の場合、
貸地の評価額=1600万円×(1-70%)=480万円
となります。
自用地とは、借地権や借家権などのように他人の権利が存在しない土地のことです。
例えば、路線価が20万円、敷地面積が80㎡の宅地の場合、
自用地の評価額=20万円×80㎡=1600万円
となります。
土地のうち、他人に貸している「貸地」には借地人が借地権を持つので、評価額は自用地の評価額から借地権割合を差し引いたものとなります。
例えば、自用地の評価額が1600万円の土地を他人に貸していて、借地権割合が70%の場合、
貸地の評価額=1600万円×(1-70%)=480万円
となります。
(2)賃貸アパートの土地の評価減
宅地の上に賃貸アパートやマンションを建てて他人に貸している「貸家建付地(かしやたてつけち)」の評価額は、自用地の評価額から、テナントの借家権割合(一律30%)に賃貸割合(入居率)を掛けたものを控除して計算します。
テナントの借家権は借地権に対して計算します。借地権70%、借家権30%とすると、その土地のテナント部分の権利は、70%X30%=21%です。
例えば、
自用地の評価額が1600万円で、借地権割合が70%の土地に賃貸アパートがあり、入居率が100%だとすると、
貸家建付地の評価額=1600万円×(1-70%×30%×100%)=1264万円
となります。
更地で保有している場合に比べて、相続税評価額が21%下がるわけです。
テナントの借家権は借地権に対して計算します。借地権70%、借家権30%とすると、その土地のテナント部分の権利は、70%X30%=21%です。
例えば、
自用地の評価額が1600万円で、借地権割合が70%の土地に賃貸アパートがあり、入居率が100%だとすると、
貸家建付地の評価額=1600万円×(1-70%×30%×100%)=1264万円
となります。
更地で保有している場合に比べて、相続税評価額が21%下がるわけです。
(3)賃貸で相続対策
相続財産を評価する場合、預金や有価証券の評価額はそのままの額ですが、土地の相続税評価額は公示地価の8割程度の水準になります。例えば、1億円の預金の評価額は1億円ですが、そのお金で土地を買うと評価額が8割程度に下がって8000万円となります。
さらに賃貸アパートを建てて他人に貸すと、その土地は貸家建付地となって、評価額がさらに自用地の8割程度に下がります。
預金:1億円 → 土地:8000万円 → 貸家建付地:6400万円
さらに、アパートの相続税評価額は、建物の固定資産税評価額から借家権30%を引いたものになります。例えば、預金5000万円でアパートを建てたとして、固定資産税額評価額が建築費の6割と仮定すると、評価額は3000万円となります。
アパート建物の相続税評価額=5000万円×60%×(1-30%)=2100万円
「賃貸アパートを建てると相続税が節税できる」といわれるのは、こうした評価の仕組みによるものです。
さらに賃貸アパートを建てて他人に貸すと、その土地は貸家建付地となって、評価額がさらに自用地の8割程度に下がります。
預金:1億円 → 土地:8000万円 → 貸家建付地:6400万円
さらに、アパートの相続税評価額は、建物の固定資産税評価額から借家権30%を引いたものになります。例えば、預金5000万円でアパートを建てたとして、固定資産税額評価額が建築費の6割と仮定すると、評価額は3000万円となります。
アパート建物の相続税評価額=5000万円×60%×(1-30%)=2100万円
「賃貸アパートを建てると相続税が節税できる」といわれるのは、こうした評価の仕組みによるものです。
(4)賃貸不動産のリスク
賃貸アパートを建てることは、計算上は相続税の節税につながりますが、アパートを建てればよいというものではありません。賃貸経営には、さまざまなリスクがあるからです。
例えば、賃貸アパートを建てるために建築費を金融機関から借り入れた場合、その返済が終わらないうちに相続が発生することも考えられます。その場合、相続人は借入金債務も相続することになり、長期間にわたって借入金の返済や利息の支払いをしなければならない可能性があります。
賃貸アパートを持っていると、毎月賃料収入が得られるというメリットもありますが、一方でアパートの管理の手間がかかり、修繕費、火災保険料、共用部分の水道光熱費、所得税などの支出も生じます。管理やメンテナンスを専門の会社に依頼した場合は、手数料を支払わなければなりません。
また、周囲に賃貸アパートが新築されると、空室が生じて賃料が減少し、赤字が生じるリスクがあります。アパートを建てるのであれば、周辺地域の賃貸住宅の市況予測をしっかり見極めなければなりません。さらに、建物の劣化による賃料の値下げも想定しておく必要があります。
相続税対策として賃貸不動産投資アパートの建築を考えるときは、長期間にわたるキャッシュフローと損益計画を慎重にシミュレーションすることが大切です。
例えば、賃貸アパートを建てるために建築費を金融機関から借り入れた場合、その返済が終わらないうちに相続が発生することも考えられます。その場合、相続人は借入金債務も相続することになり、長期間にわたって借入金の返済や利息の支払いをしなければならない可能性があります。
賃貸アパートを持っていると、毎月賃料収入が得られるというメリットもありますが、一方でアパートの管理の手間がかかり、修繕費、火災保険料、共用部分の水道光熱費、所得税などの支出も生じます。管理やメンテナンスを専門の会社に依頼した場合は、手数料を支払わなければなりません。
また、周囲に賃貸アパートが新築されると、空室が生じて賃料が減少し、赤字が生じるリスクがあります。アパートを建てるのであれば、周辺地域の賃貸住宅の市況予測をしっかり見極めなければなりません。さらに、建物の劣化による賃料の値下げも想定しておく必要があります。
相続税対策として賃貸不動産投資アパートの建築を考えるときは、長期間にわたるキャッシュフローと損益計画を慎重にシミュレーションすることが大切です。