10 相続税Q&A 基礎編 その1
10-03 遺産分割の方法は?
(1)相続人は債務も承継?
相続人は、被相続人(亡くなった人)が残した一切の財産(債務を含む)を承継します。相続人が1人であれば、その人がすべてを承継しますが、相続人が複数いる場合は、誰がどの財産を承継するのかを決めなければなりません。これを遺産分割といいます。
遺産分割には、遺言によるもの、各相続人の協議によるもの、調停・審判によるものがあります。それぞれの分割方法は以下の通りです。
遺産分割には、遺言によるもの、各相続人の協議によるもの、調停・審判によるものがあります。それぞれの分割方法は以下の通りです。
(2)遺言の遺産分割は?
遺言書がある場合は、遺言書が優先されます。従って、各相続人は、遺言書に記載された通りに相続財産を分割します。ただし、遺言書に記載されている遺産分割方法であっても、各相続人は少なくとも民法に規定する遺留分を請求する事が出来ます。
遺言書に記載されていないものについては、各相続人の協議により分割します。
なお、相続人全員が同意した場合は、遺言書によらず、各相続人の協議により、相続財産を分割することができます。
遺言書に記載されていないものについては、各相続人の協議により分割します。
なお、相続人全員が同意した場合は、遺言書によらず、各相続人の協議により、相続財産を分割することができます。
(3)協議で遺産分割?
遺言書がない場合は、各相続人が話し合って、誰がどの相続財産を承継するかを決めます。これを遺産分割協議といい、その話し合った結果を遺産分割協議書として作成します。
遺産分割協議書は特に決まった様式はありませんが、相続人全員が署名、押印(実印)する必要があります。
この遺産分割協議書は、相続税申告書への添付、預金・不動産等の名義を変更するときなどに必要となります。
遺産分割協議書は特に決まった様式はありませんが、相続人全員が署名、押印(実印)する必要があります。
この遺産分割協議書は、相続税申告書への添付、預金・不動産等の名義を変更するときなどに必要となります。
(4)調停で遺産分割?
①調停
相続人間で協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停では、家庭裁判所から選任された調停委員会が各相続人の意見等を聞きながら話し合いをまとめていきます。
調停で話し合いがまとまれば調停が成立します。
②審判
調停が成立しない場合は、自動的に審判に移行します。審判では、裁判官が相続財産の種類や性質、各相続人の希望や生活環境等を総合的に判断したうえで分割の審判を下します。
審判には法的な強制力がありますので、その内容に従って分割が行われます。その内容に不服がある場合は、2週間以内に高等裁判所に対して申し立てを行うことができます。
相続人間で協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停では、家庭裁判所から選任された調停委員会が各相続人の意見等を聞きながら話し合いをまとめていきます。
調停で話し合いがまとまれば調停が成立します。
②審判
調停が成立しない場合は、自動的に審判に移行します。審判では、裁判官が相続財産の種類や性質、各相続人の希望や生活環境等を総合的に判断したうえで分割の審判を下します。
審判には法的な強制力がありますので、その内容に従って分割が行われます。その内容に不服がある場合は、2週間以内に高等裁判所に対して申し立てを行うことができます。
(5)具体的な分割方法?
具体的な分割方法には、次の3つがあります。
①現物分割
個々の相続財産の別に分割する方法です。
例えば、自宅は妻に、賃貸アパートは長男に、A銀行の預金の●●円は長女に、B銀行の預金は二男に、というように相続人に配分します。
不動産等の場合は、持分を決めて共有で分割することもできます。ただし、共有すると、将来売却するときに共有持分の所有者間の同意が必要です。さらに共有者の1人が死亡した場合にその子供に相続されて、共有者の数が増えるなど、のちのちのトラブルの元になることもありますので、注意して下さい。
②代償分割
相続財産が不動産や自社株式など、分割しにくいものが多い場合に、ある特定の相続人が財産を多く相続する代わりに、その相続人が他の相続人に対して自分の財産を交付する方法です。
例えば、相続財産が自宅とわずかな預金のみの場合、長男がその自宅を相続し、その代わりに長男が二男に対して二男の相続分に見合った現金を支払うというものです。
代償分割は、不動産や自社株などの分割しにくい財産が多い場合に活用されますが、支払う側にそれ相応の資金力が必要となります。
自分の財産が分割しにくいものが多い場合は、円滑に遺産分割を行うために、他の不動産等を売却して現金化したり、保険を活用するなど、自分の財産を分割しやすいものに変えることを検討してはいかがでしょうか。例えば長男に会社を承継させる為に、親の会社の株式を相続させたいが長男の資金力がない場合には、予め長男を受取人とする保険に親が加入して置く事により、代償分割用の現金を準備することが出来ます。
③換価分割
上記②の代償分割と同じように、相続財産が分割しにくいものが多い場合に、ある相続財産を売却して現金化し、その現金を各相続人に分割する方法です。
ただし、希望する価格で売却が出来ない場合や、その資産を売却することにより譲渡所得税が発生する場合がありますので注意して下さい。
①現物分割
個々の相続財産の別に分割する方法です。
例えば、自宅は妻に、賃貸アパートは長男に、A銀行の預金の●●円は長女に、B銀行の預金は二男に、というように相続人に配分します。
不動産等の場合は、持分を決めて共有で分割することもできます。ただし、共有すると、将来売却するときに共有持分の所有者間の同意が必要です。さらに共有者の1人が死亡した場合にその子供に相続されて、共有者の数が増えるなど、のちのちのトラブルの元になることもありますので、注意して下さい。
②代償分割
相続財産が不動産や自社株式など、分割しにくいものが多い場合に、ある特定の相続人が財産を多く相続する代わりに、その相続人が他の相続人に対して自分の財産を交付する方法です。
例えば、相続財産が自宅とわずかな預金のみの場合、長男がその自宅を相続し、その代わりに長男が二男に対して二男の相続分に見合った現金を支払うというものです。
代償分割は、不動産や自社株などの分割しにくい財産が多い場合に活用されますが、支払う側にそれ相応の資金力が必要となります。
自分の財産が分割しにくいものが多い場合は、円滑に遺産分割を行うために、他の不動産等を売却して現金化したり、保険を活用するなど、自分の財産を分割しやすいものに変えることを検討してはいかがでしょうか。例えば長男に会社を承継させる為に、親の会社の株式を相続させたいが長男の資金力がない場合には、予め長男を受取人とする保険に親が加入して置く事により、代償分割用の現金を準備することが出来ます。
③換価分割
上記②の代償分割と同じように、相続財産が分割しにくいものが多い場合に、ある相続財産を売却して現金化し、その現金を各相続人に分割する方法です。
ただし、希望する価格で売却が出来ない場合や、その資産を売却することにより譲渡所得税が発生する場合がありますので注意して下さい。