11 相続税Q&A 基礎編 その2
11-02 自宅や事業用の土地の課税は?
(1)小規模宅地の特例?
相続の際に居住用や事業用の宅地を所有している場合には、一定の要件を満たすことにより、評価額が減額できます。これを小規模宅地等の特例といいます。
この小規模宅地等の特例の内容は以下の通りです。
この小規模宅地等の特例の内容は以下の通りです。
(2)特例の内容は?
相続または遺贈によって取得した財産のうちに、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住用、事業用または貸付用に供されていた宅地等については、一定の要件を満たす場合は、次に掲げる用途区分に応じ、それぞれの限度面積までの部分について、それぞれの割合を減額することができます。
宅地等の用途区分 | 限度面積 | 減額割合 |
---|---|---|
特定居住用宅地等 | 330㎡ | 80% |
特定事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50% |
(3)具体的な計算例は?
1㎡当たりの評価額が20万円、広さ400㎡の土地を例に考えてみましょう。
この土地が上記用途区分のそれぞれに該当する場合の課税価格に算入すべき価額は以下の通りです。
①特定居住用宅地等に該当する場合
減額前の評価額・・・8,000万円(20万円×400㎡)
評価減することができる額・・・5,280万円(8,000万円×330㎡/400㎡×80%)
評価減後の課税価格に算入すべき額…2,720万円(8,000万円-5,280万円)
②特定事業用宅地等に該当する場合
減額前の評価額・・・8,000万円(20万円×400㎡)
評価減することができる額・・・6,400万円(8,000万円×80%)
評価減後の課税価格に算入すべき額…1,600万円(8,000万円-6,400万円)
③貸付事業用宅地等に該当する場合
減額前の評価額・・・8,000万円(20万円×400㎡)
評価減することができる額・・・2,000万円(8,000万円×200㎡/400㎡×50%)
評価減後の課税価格に算入すべき額…6,000万円(8,000万円-2,000万円)
この土地が上記用途区分のそれぞれに該当する場合の課税価格に算入すべき価額は以下の通りです。
①特定居住用宅地等に該当する場合
減額前の評価額・・・8,000万円(20万円×400㎡)
評価減することができる額・・・5,280万円(8,000万円×330㎡/400㎡×80%)
評価減後の課税価格に算入すべき額…2,720万円(8,000万円-5,280万円)
②特定事業用宅地等に該当する場合
減額前の評価額・・・8,000万円(20万円×400㎡)
評価減することができる額・・・6,400万円(8,000万円×80%)
評価減後の課税価格に算入すべき額…1,600万円(8,000万円-6,400万円)
③貸付事業用宅地等に該当する場合
減額前の評価額・・・8,000万円(20万円×400㎡)
評価減することができる額・・・2,000万円(8,000万円×200㎡/400㎡×50%)
評価減後の課税価格に算入すべき額…6,000万円(8,000万円-2,000万円)
(4)老人ホームに入居?
小規模宅地等の特例の適用対象となる居住用宅地等とは、相続開始の際に、被相続人が実際に居住していた宅地をいいます。
相続開始前に病気療養のための入院等により、一時的に空き家になっている場合においても、退院後に再びその家屋に居住することができるよう管理されている場合等は、生活拠点を移転したものとはみなされず、他の要件を満たすのであれば、この特例を受けることができます。
病院への入院ではなく、老人ホームへの入所の場合はどうでしょうか?
以下の理由により、相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地について、一定の要件を満たす場合はこの特例の適用を受けることができます。
①要介護認定または要支援認定を受けていた被相続人が次の住居または施設に入居または入所していたこと
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、または有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・サービス付高齢者向け住宅
②障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設などに入所または入居していたこと
③その家屋を事業の用または貸付の用に供していないこと。
従来は、老人ホームへの入所に当たり、所有権又は終身利用権を取得した場合はこの特例の適用を受けることができませんでしたが、平成25年度税制改正により、平成26年1月1日以後に発生する相続からは、一定の要件を満たす場合は、終身利用権等の取得の有無にかかわらず、認められるようになりました。
平成25年以前は、特別養護老人ホームへ入所した場合は病気治療のための入院と同様として特例を適用でき、終身利用権を取得して有料老人ホームへ入所した場合は一時的な入所ではなく終身入所目的による入所として特例を適用することができませんでした。
老人ホームへの入所については、特別養護老人ホームへの入所を希望していながら、入所待ち等の理由により、有料老人ホームへ入所せざるをえず、その結果、特例を適用できないということがありましたが、この改正により、この問題は解消されました。
相続開始前に病気療養のための入院等により、一時的に空き家になっている場合においても、退院後に再びその家屋に居住することができるよう管理されている場合等は、生活拠点を移転したものとはみなされず、他の要件を満たすのであれば、この特例を受けることができます。
病院への入院ではなく、老人ホームへの入所の場合はどうでしょうか?
以下の理由により、相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地について、一定の要件を満たす場合はこの特例の適用を受けることができます。
①要介護認定または要支援認定を受けていた被相続人が次の住居または施設に入居または入所していたこと
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、または有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・サービス付高齢者向け住宅
②障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設などに入所または入居していたこと
③その家屋を事業の用または貸付の用に供していないこと。
従来は、老人ホームへの入所に当たり、所有権又は終身利用権を取得した場合はこの特例の適用を受けることができませんでしたが、平成25年度税制改正により、平成26年1月1日以後に発生する相続からは、一定の要件を満たす場合は、終身利用権等の取得の有無にかかわらず、認められるようになりました。
平成25年以前は、特別養護老人ホームへ入所した場合は病気治療のための入院と同様として特例を適用でき、終身利用権を取得して有料老人ホームへ入所した場合は一時的な入所ではなく終身入所目的による入所として特例を適用することができませんでした。
老人ホームへの入所については、特別養護老人ホームへの入所を希望していながら、入所待ち等の理由により、有料老人ホームへ入所せざるをえず、その結果、特例を適用できないということがありましたが、この改正により、この問題は解消されました。