03 遺言書と争続防止
03-01 遺言書の書き方と遺留分
(1) 遺言書で争族を防ぐ
(参照:03-03 公正証書遺言の作成方法)
被相続人の遺産を分割する方法には、遺言による分割と相続人どうしで話し合って決める協議分割の2つがあり、遺言書があれば遺言が優先されます。
遺言書がなければ協議分割となりますが、話し合いがまとまるまでに時間がかかったり、相続人どうしでトラブルになったりすることも考えられます。
一方、遺言書は被相続人の意思を表したものであり、誰に何を相続させるかが明記されていればスムーズな遺産分割につながります。円滑な遺産分割と争族防止のためには、遺言書を遺しておくことが大切です。
特に次のような場合には、遺言書を遺すことをお勧めします。
◎主な相続財産が不動産の場合
不動産は直ぐに換金処分するのが難しい資産です。相続人で共有登記するともできますが、そうなると将来売却する際に他の相続人の同意が必要です。共有者が亡くなると、その人の相続で更に共有者が増えてしまいます。
その場合には遺言書の中に、特定の相続人に不動産を相続させて、他の相続人には代わりに預金を相続させる記載しておくことで解決できます。あるいは生命保険の受取人に指定しておく方法もあります。
◎相続人の1人に事業を承継させる
相続人のうちの1人が事業を引き継ぐ場合、その人に自社株を相続させて、他の相続人には別の資産を相続させる旨を遺言書に書いておくと、争いを防止できます。
◎子どもがいない
子どもがなく父母も他界している場合、法定相続人は配偶者と被相続人の兄弟姉妹となり、遺言書がないと、配偶者と兄弟姉妹で遺産分割協議を行わなくてはなりません。
兄弟姉妹が多い場合や、遠方に住んでいたり疎遠になっていたりした場合は、遺産分割協議が難しくなるので、「全財産を配偶者に相続させる」とする遺言書を残しておくとよいでしょう。兄弟姉妹には遺留分がないので、遺言書通りに配偶者がすべての財産を相続できます。
◎再婚している
被相続人と前妻・前夫との間に子がいると、その子と現在の配偶者の間で遺産分割協議が必要になり、トラブルになりがちです。
◎法定相続人以外の人に財産を残したい
遺言書がないと、法定相続人以外の人は遺産を相続することができません。例えば、内縁の妻または夫、子の配偶者、知人・友人など法定相続人以外の人に遺産を遺したり、慈善団体や研究機関などに遺産を寄付したりする場合は遺言書が必須です。
被相続人の遺産を分割する方法には、遺言による分割と相続人どうしで話し合って決める協議分割の2つがあり、遺言書があれば遺言が優先されます。
遺言書がなければ協議分割となりますが、話し合いがまとまるまでに時間がかかったり、相続人どうしでトラブルになったりすることも考えられます。
一方、遺言書は被相続人の意思を表したものであり、誰に何を相続させるかが明記されていればスムーズな遺産分割につながります。円滑な遺産分割と争族防止のためには、遺言書を遺しておくことが大切です。
特に次のような場合には、遺言書を遺すことをお勧めします。
◎主な相続財産が不動産の場合
不動産は直ぐに換金処分するのが難しい資産です。相続人で共有登記するともできますが、そうなると将来売却する際に他の相続人の同意が必要です。共有者が亡くなると、その人の相続で更に共有者が増えてしまいます。
その場合には遺言書の中に、特定の相続人に不動産を相続させて、他の相続人には代わりに預金を相続させる記載しておくことで解決できます。あるいは生命保険の受取人に指定しておく方法もあります。
◎相続人の1人に事業を承継させる
相続人のうちの1人が事業を引き継ぐ場合、その人に自社株を相続させて、他の相続人には別の資産を相続させる旨を遺言書に書いておくと、争いを防止できます。
◎子どもがいない
子どもがなく父母も他界している場合、法定相続人は配偶者と被相続人の兄弟姉妹となり、遺言書がないと、配偶者と兄弟姉妹で遺産分割協議を行わなくてはなりません。
兄弟姉妹が多い場合や、遠方に住んでいたり疎遠になっていたりした場合は、遺産分割協議が難しくなるので、「全財産を配偶者に相続させる」とする遺言書を残しておくとよいでしょう。兄弟姉妹には遺留分がないので、遺言書通りに配偶者がすべての財産を相続できます。
◎再婚している
被相続人と前妻・前夫との間に子がいると、その子と現在の配偶者の間で遺産分割協議が必要になり、トラブルになりがちです。
◎法定相続人以外の人に財産を残したい
遺言書がないと、法定相続人以外の人は遺産を相続することができません。例えば、内縁の妻または夫、子の配偶者、知人・友人など法定相続人以外の人に遺産を遺したり、慈善団体や研究機関などに遺産を寄付したりする場合は遺言書が必須です。
(2) 遺言書に記載すること
遺言書に記載できる内容は、以下の通りです。
◎身分に関すること--認知や未成年後見人の指定など
◎相続に関すること--相続分や遺産分割方法の指定、推定相続人の廃除・廃除の取消、遺言執行者の指定など
◎財産の処分に関すること--遺贈、信託の設定など
これ以外のことを遺言書に記載しても法的な効力はありませんが、「付言」として相続人に対するメッセージを書くことは可能です。
遺言書で指定した遺産分割割合が法定相続割合と違っていたり、同順位の相続人間で均等でなかったりするような場合は、なぜそのような分割方法にしたのか理由を書いておくと、相続人に納得してもらいやすいでしょう。
生前に行った金銭的な援助を「特別受益」として相続分から差し引いたり、被相続人の身体介護を行った人などに「寄与分」として相続割合を多くしたりする場合も同様です。
◎身分に関すること--認知や未成年後見人の指定など
◎相続に関すること--相続分や遺産分割方法の指定、推定相続人の廃除・廃除の取消、遺言執行者の指定など
◎財産の処分に関すること--遺贈、信託の設定など
これ以外のことを遺言書に記載しても法的な効力はありませんが、「付言」として相続人に対するメッセージを書くことは可能です。
遺言書で指定した遺産分割割合が法定相続割合と違っていたり、同順位の相続人間で均等でなかったりするような場合は、なぜそのような分割方法にしたのか理由を書いておくと、相続人に納得してもらいやすいでしょう。
生前に行った金銭的な援助を「特別受益」として相続分から差し引いたり、被相続人の身体介護を行った人などに「寄与分」として相続割合を多くしたりする場合も同様です。
(3) 遺留分に注意
遺言書で遺産の分割方法を指定するに当たって注意が必要なのは遺留分です。遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる割合で、だれが相続人かによって相続財産全体に対する遺留分の割合は図のようになっています。
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の場合、子1人につき遺留分は全体の8分の1となります。遺言書で指定された遺産の分割割合がこれより少なかった子がいた場合、その子は他の相続人に対して「遺留分減殺請求」を行って遺留分を取り戻すことができます。
ただ、そうなると相続人間の争いとなってしまうので、遺言書で遺産分割割合を指定するにあたっては、各相続人の遺留分を侵害しないようにすることが非常に重要です。
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の場合、子1人につき遺留分は全体の8分の1となります。遺言書で指定された遺産の分割割合がこれより少なかった子がいた場合、その子は他の相続人に対して「遺留分減殺請求」を行って遺留分を取り戻すことができます。
ただ、そうなると相続人間の争いとなってしまうので、遺言書で遺産分割割合を指定するにあたっては、各相続人の遺留分を侵害しないようにすることが非常に重要です。
(4) 遺言執行者を決める
遺言書では、遺言執行者も指定しておきましょう。遺言執行者は、不動産の名義書換、預金の解約、債務の弁済など、遺産の管理や分割を行います。相続人以外への遺贈も、遺言執行者がいたほうが確実に行えます。
遺言執行者は、未成年者と破産者以外なら誰でもなることができます。相続人の中の1人を指定したり、弁護士や司法書士などの専門家に依頼したりするのが一般的です。
遺言執行者は、未成年者と破産者以外なら誰でもなることができます。相続人の中の1人を指定したり、弁護士や司法書士などの専門家に依頼したりするのが一般的です。